開発センター実験施設案内

開発センターの実験施設について

さが藻類産業研究開発センターには、藻類の単離・培養から有用な機能性物質の抽出・分析まで、藻類産業創出の基盤となる研究のためのさまざまな機材がそろっています。

 

微細藻類から機能性物質を抽出する過程

微細藻類から有用な機能性物質を抽出する過程は以下の通りです。

微細藻類の採取 → 単離 → 培養 → 濃縮 → 脱水 → 乾燥 → 抽出

採取した藻類を単離して培養を始めると、2週間程度の間隔で試験管からフラスコ、10L容器へと移しながら培養を続けます。増殖のスピードや環境変化への対応力をみながら2~3カ月間試験的に培養し、並行して機能性物質の抽出・分析を進めて有用な機能性物質が含まれているかどうかを見極めていきます。

 

各過程の詳細と使用する実験機器

■単離

 佐賀市内の湖沼から水を採取し、顕微鏡で観察すると、無数の微細藻類が生息しているのが分かります。その中からターゲットとする微細藻類の1細胞を取り出すことを単離といいます。ターゲットの種類は、ヘマトコッカス、ユーグレナのようにすでに機能性物質を産生することが判明している種類に加え、文献を参考に決定します。

▽正立顕微鏡=一般的な顕微鏡。プレパラートを作成し、下から光を当て、上側から観察します(写真)。

▽倒立顕微鏡=培養容器(シャーレ)などに入れた試料を上からあてた光で下側から観察する構造の顕微鏡。単離の作業は主にこの顕微鏡を用いて行います(写真)。

      

       正立顕微鏡             倒立顕微鏡

 

■培養

単離した細胞を培養液(培地)が入った試験管(10ml)で育てます。これを「培養株(クローン)」といいます。培養液には、窒素、リンなど微細藻類の増殖に必要な栄養素がバランスよく含まれています。一定期間ごとに新しい培養液入り試験管に培養液の一部を移す作業を繰り返します(継代培養)。培養株の一部を300mlや500mlサイズのフラスコで培養すれば、より大きな容量での培養が可能です。さが藻類産業研究開発センターでは、10Lまで培養が可能です。

▽クールインキュベーター=光量や温度を一定に保つ機能を持つ培養器です(写真)

  

                      試験管                   フラスコ

  

     クールインキュベーター               10L容器

 

■濃縮

培養されている微細藻類は、培養液中には非常に薄い密度で存在しています。機能性物質などを効率よく抽出する前には、培養液中の微細藻類を濃縮する必要があります。

▽テールトップ遠心機=重さの異なる物質を容器に入れて高速で回転させ、遠心力をかけた状態の移動速度の差を利用して分離します。多くの微細藻類は、下に沈みます。上澄みを取り除くことで微細藻類の濃縮サンプルが得られます(写真)。

  テールトップ遠心機

 

■脱水・乾燥

濃縮した藻類を乾燥させ、粉末を作ります。

▽スプレードライヤー=濃縮した微細藻類培養液を高温容器内でスプレーすることで、微細藻類粉末を作成することができる乾燥装置。熱処理していることで、ある程度殺菌も可能(写真)。

▽凍結乾燥機=凍結させた微細藻類培養液を、真空の状態にして水分を昇華(氷から直接水蒸気に変化させること)させて乾燥させます。熱がかからないため、成分の変質を最小限にできます(写真)。

    

  スプレードライヤー           凍結乾燥機

 

■抽出

乾燥させた粉末から機能性物質(有用成分)を抽出します。粉末に有機溶剤を加え、機能性物質を溶かし出して抽出する方法と、超臨界二酸化炭素(CO2)を用いる抽出があります。

▽ロータリーエバポレーター=微細藻類から機能性物質を抽出する際に用いた溶媒の除去に用いる装置。機能性物質が溶け出した有機溶剤を入れたフラスコを減圧し、沸点が下がったところで溶剤を温めて蒸発させます。蒸発した溶剤は冷やして液体に戻し、溶剤受けにためます(写真)。

▽超高圧超臨界CO2装置=気体、液体、個体のいずれでもない「超臨界状態」のCO2を用いて各種成分の抽出を行います。超臨界CO2は、「強力な溶解力を持っている」「CO2の超臨界に達する温度(31.1℃)と圧力(7.38Mpa)が低いため、大規模化も比較的容易」「CO2は有用成分抽出物中に残存しても有機溶剤よりも安全」などの特長があります。

   

          ロータリーエバポレーター               超高圧超臨界CO2装置

 

■分析

抽出した機能性物質を分析します。

▽高効率液体クロマトグラフ分析装置(HPLC=High Performance Liquid Chromatography)=微細藻類からの抽出物を有機溶剤の流れに乗せて細い専用の管の中を移動させ、含まれる化学物質の移動度の違いを利用してどのような物質が存在するのかを検出できる装置です(写真)。

       高効率液体クロマトグラフ分析装置

 

屋外培養実験施設

屋外培養実験施設は、数百L規模の大量培養実験が可能な施設です。

■施設

広さ60㎡(15m×4m)、高さ3mの農業用ビニールハウス。側面を手動で開放することができ、内側には遮光ネットがあります(写真)。

          屋外培養実験施設 外観

 

■設備

▽培養タンク

藻類を大量培養する設備。500Lのタンク3基と100Lのタンク3基があります(写真)。

   

    500L培養タンク         100L培養タンク

 

▽大型連続遠心機

大量の培養液から微細藻類を濃縮できる大型の遠心機です。1時間で200L程度の培養液を処理することができます(写真)。

   大型連続遠心機

 

 

 

 

   

 

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