佐賀大学微細藻類バイオマス研究プロジェクト発表会

研究成果と産業活用の可能性を報告

 佐賀大学微細藻類バイオマス研究プロジェクトの成果発表会が7月25日、同大学で開かれました。オンラインを含めて学内外の約80人が参加。農学部、理工学部と医学部の4人の研究者が研究の成果を報告し、微細藻類の産業や医療への活用の可能性を示しました。

 農学部の出村幹英特任准教授は、ドコサヘキサエン酸(DHA)を産生する新種のイカダモを、日本で初めて佐賀市内の湖沼で発見したことを発表しました。イカダモは培養が比較的容易なことから、大量培養の研究を続けてDHAを安価に製造できるようにし、飼料やサプリメントの開発につなげたいとしました。

 同学部の林信行教授は、微細藻類から有用成分を抽出する手法として「ホモバルブ式湿式剪断法」について紹介しました。「抽出効率がよく、抽出量が従来の方法より多いだけでなく、熱を加えないので品質の劣化がない」と利点を説明しました。

 理工学部の大渡啓介教授は、微細藻類を吸着材として金を回収する研究について報告。イカダモなど使った実験で回収できていることを示し、「希少金属を含む家電などの『都市鉱山』から回収できれば、サーキュラー・バイオエコノミーの理念にも合致する」と話しました。

 医学部の青木茂久教授は、微細藻類の医療への応用について発表しました。マウスを使った実験で、微細藻類に傷を小さくしたり、ひきつれを抑える可能性があることを確かめたとし、「医薬品の原料にできるのではないか」と期待を示しました。

 発表会には、佐賀市の坂井英隆市長や(一社)さが藻類バイオマス協議会の中溝康介コーディネーターも出席。佐賀市の二酸化炭素利活用事業や協議会の活動を紹介しました。

 発表会の様子は、佐賀大学が運営するYouTube「チャンネル佐賀大学」で紹介されています。

 バイオマス研究成果発表会(2/3) - YouTube

 

 

(2022年8月17日掲載)

 

 

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