(一社)さが藻類バイオマス協議会は、微細藻類を混入した「藻紙」や藻類を原料とするインクを用いた会員証を制作しました。多用途に展開できる微細藻類を活用した産業の育成・発展を目指す協議会として、身近なところから藻類の可能性を感じてほしいとの期待を込めた試みです。
藻紙製作には、福井県越前市の和紙販売「杉原商店」と越前和紙製造「五十嵐製紙」の2社に御協力いただきました。クロレラと、佐賀大学の出村幹英特任准教授が育てられた自然発生微細藻類「さがん藻ミックス」を、コウゾやネリ(トロロアオイ)といった植物由来の素材と混ぜ合わせて作られています。
インクは、米国のLiving Ink社製です。同社は、カリフォルニア州で育てた「スピルリナ」から青い色素を抽出した残渣から、主に印刷向けのインクを作っています。アパレルメーカーのパタゴニアやスポーツ用品のナイキ、アディダスなど環境問題に関心を持つ企業の印刷物に採用されています。
印章に使用したのは、フランスのALGO PAINT社製の塗料です。ブルターニュの海岸で採られた海藻を、石油由来物の代わりにベースにしており、環境や人に優しい建築塗料として販売されています。
両社とも今回の取り組みに賛同され、日本への初めての輸出となりました。
微細藻類を混入した「藻紙」と藻類を素材とするインクで作った会員証
「藻紙」には、クロレラと「さがん藻ミックス」を混入した
LIVING INK社のインク ALGO PAINT社の塗料
(2022年9月6日掲載)